「派手にやっているようだな」
 ニコラの悲鳴とも快感の声ともつかない大きな叫び声が、分厚い石造りの壁を震わせている。
 ロルフが別のところに気をとられているのを見て、ミルキーは大きな頬を膨らませた。
「ひどいですよぉ、お客さん。さっきから、他の部屋のことばっかりぃ」
 牝のミノタウロ、ミルキー。
 牛の角と蹄、そして尾を持つ以外は、彼女の体は人間の女性と同じで、大きな胸が特に目を引いた。
 重さを支えきれなくて垂れ下がった胸。
 裸になって床に座ったロルフは、おもむろにミルキーの胸を持ち上げた。
「重いな」
 ロルフの大きな手でも、肉がはみ出て余っている。
 ゼリーのように柔らかい胸を触られて、ミルキーは艶っぽい声を出した。
「あたしの自慢なんですよぉ。でも、この胸、もっとすごいことも出来るんですよ」
 剥き出しになったロルフの巨大な一物を好色な目で見ながら、ミルキーは外側から自分の胸を
手で挟み込んだ。下からはロルフの手で押され、左右からはミルキーの手で押されて、大きな
胸はぐにゃぐにゃと変形していた。
「それじゃ、いきますよぉ」
 シュ、シュ……。
 ミルキーの手が上下して、二つの大きな乳房をこすり上げる。
 シュ、シュ……ぬちゅ、ぬちゅ。
「んっ……濡れてきたのか?」
 乳房の谷間に、ロルフは指を入れてみた。
 つぷ。
「んんぅ!」
 その感触に、角を震わせて鼻声を漏らすミルキー。
 驚いたことに、彼女の胸はローションも使わないのに、ぬるぬるとした粘液で覆われていた。
「驚きましたぁ? これが出来るミノタウロの娘って、そんなにいないんですよぉ」
 嬉しそうに笑うミルキーは、挟み込んでいた胸を広げて見せた。
 まるで陰門からほとばしる愛液のように、彼女の胸の谷間は淫らな粘液に覆われている。
「ああ、驚いた。国でミノタウロを抱いたことがあるが、暴れるように腰を動かすばかりで、
おまえのような技を持っているものはいなかった」
 淡々と、ロルフは言う。
 ロルフの生まれ故郷である、北方に広がる大草原。
 そこでロルフは多くの幻獣を抱いた。
 ミノタウロ、パン、グリフォン、コカトリス、ヒポグリフ……。
 だが、野生種である彼女たちは欠乏している精気を貪るのに必死で、パワフルではあるが、
みな、技巧というものには長けていなかった。
「えへへ。満足させてあげますからねえ」
 そう言って、ミルキーはベロンと舌を出して見せた。
 見かけよりもずっと大きくて長い舌は、牛のそれを思わせる。
「よろしく頼む」
 ロルフの言葉に答えるようにして、ミルキーは濡れた胸の谷間で、彼の黒ずんだ剛直を挟み込んだ。
「うわぁ、すごく大きいですぅ。先が余っていますよぉ」
 大きな胸で挟み込んでも、ロルフの巨大なものは亀頭と竿の先をはみ出させていた。
 ミルキーは喜びの声を上げて、長い舌をロルフの亀頭に絡ませる。
「うぉ!」
 いきなり最も敏感なところを刺激されて、ロルフは声を上げた。
 ぬちゅ、にゅつ。
 蛇のように竿の先に絡まり、妖しく動くミルキーの赤い舌。
 その間も、ミルキーは自分の大きな乳房を左右から挟み上げて、ロルフの剛直を刺激し続けている。
「お客さん。くわえてもいいですかぁ」
 かわいらしく小首をかしげて聞いてくるミルキーに、ロルフは黙ってうなずいた。
 ちゅる、りゅる。
 じらすように、舌を亀頭の回りに巻き付けて一回転させた後、ミルキーは大きく口を開けて、
ロルフの黒ずんだ剛直の先をくわえ込んだ。
 ちゅ。
 まずは唇で締め付ける。
「うむう」
 分身を濡れた肉の輪に挟まれて、気持ちよさそうにうめくロルフ。
 浅く剛直をくわえたミルキーは、そのままロルフの亀頭を舌で舐め上げ、上顎や頬の内側に
擦りつけて刺激を加えた。
 剛直をくわえたまま、ミルキーは上目つかいでロルフの顔を見上げ、彼が快感を得ているのを
確認しようとする。すると、ロルフは細い目でミルキーの顔を見つめていた。
「おひゃふひゃふ?」
 不思議に思ったミルキーがくわえたままで喋ろうとしたので、不意の刺激が加わった。
 ロルフの腰がビクンと動く。
「とても気持ちがいい。続けてくれ」
 そう言いながら、ロルフはミルキーの頭に生えている角の近くの髪を撫でた。
「んんぅ」
 気持ちよさそうに、ミルキーも目を細め、顔を赤らめた。
 ロルフに見つめられながら、吸茎行為に没頭するミルキー。
 くちゅ、くちゅくちゅ……。
 下腹にこみ上げてくる熱いものを感じながら、ミルキーは舌と首を動かし続けた。

「はあぁ……」
 随分と長い間、動かしている。
 ロルフの剛直が一際大きくなってきたことを感じ取ったミルキーは、くわえていたものを
口から引き抜いた。
「お客さん、そろそろいっちゃうでしょ?」
 悪戯っぽく笑うミルキーの髪を、またロルフが優しく撫でる。
「えへへ……それじゃ、頑張っちゃいますねっ」
 ロルフによく見えるようにして、長い肉厚の舌をミルキーは突き出した。
 より強く、自分の乳房をぎゅっと挟み込み、ミルキーは舌を絡め始めた。
 しゅっ、しゅっ……。
 にちゅる、ぬちゅる。
 長く太い茎を間に挟んで、淫液の上を滑りながら動く、二つの乳房。
 裏筋、カリ、尿道口、そして亀頭の上を這い回る、赤い舌。
 ロルフがどこを気持ちいいと感じるのか、上目遣いの目で慎重に探りながら、ミルキーは
大胆に動きを繰り返す。
 絶え間ない刺激を受けて、ロルフの剛直が限界までふくれ上がった。

 ぶしゅっ!
 
 噴水のように噴き出す、ロルフの白濁液。
 それは一気に飛び散って、ミルキーの顔や髪、角に飛び散り、かかったところを白く濡らした。
 びくん、びくん……。
 まだ噴射を続けている剛直の先。
 そこから噴き出る精液を、ミルキーは長い舌で美味しそうに舐め取った。
 出したばかりで敏感なところを舐められて、ロルフはくすぐったそうにしている。
「いっぱい出ましたねぇ、お客さん」
 ぷちゅ、ぷちゅ。
 噴射が終わった亀頭の先を舐め取って綺麗にすると、指の先で顔のあちこちにかかった精液を
すくい取って、また口へと運ぶ。
 ここまで濃厚な精気の固まりは、今まで味わったことがない。
 ミルキーは仕事を忘れて、本当に嬉しそうに笑っている。
「よし。今度は、おまえが楽しむ番だ」
「えっ?」
 聞き返そうとする前に、ロルフはミルキーの腰をつかんで、彼女を自分の胸元に引き寄せた。
「ひゃあん!」
 大きな乳房がロルフの筋肉で覆われた胸に当たり、ミルキーは声を上げる。
 彼女は性感が胸に集中している幻獣なので、こういった刺激には極めて弱い。
 
 コロン。
 
 ロルフはそのまま、ミルキーをひっくり返して、うつ伏せの状態で彼女を転がした。
「入れる。尻を上げろ」
「へっ……お客さん、もう大丈夫なんですかぁ?」
 あれだけ出したのに、と思いながら、振り向いて肩越しにロルフを見るミルキー。
 驚いたことに、剛直はもう固さを取り戻し、ロルフの臍に当たらんばかりになっていた。
「うわぁ……」
 喜色に満ちた笑顔をミルキーは浮かべ、嬉しそうに大きめのお尻を持ち上げる。
 すでに陰門は愛液に濡れてドロドロになっており、いつでもロルフの剛直を迎え入れることが
できそうだった。
 ぬちゃり。
 亀頭が膣口に当てられたのを感じて、ミルキーは首を天井に反らした。

「……きゅううぅぅっっん!!」

 一気に、ロルフの剛直がミルキーの中に分け入ってくる。
 彼女の大きな体と豊富に湧き出た愛液は、スムーズにロルフを受け入れた。
 熱く固い物が、彼女の中に入っている。
「うあっ、ひゅああっん……!」
 膣の中をこじ開けられ、満たされて、ミルキーは大きな喘ぎ声を上げた。
「動くぞ」
「ひゃ、ひゃい……くぅ、ふあああんっ!」
 ミルキーがうなずくと、ロルフは本能に任せて、乱暴に腰を動かし始めた。

 パン、パン、パン、パン!
 
 ロルフの腰とミルキーの尻の肉が何度も打ち付けられ、激しい打撃音を立てる。
 性器の回りの粘液は激しいピストンで泡立ち、白い泡沫となって床に落ちていく。
「んっ、うんんっ……!!」
 ロルフの大きな手が、ミルキーの乳房を鷲づかみにした。
 手でつかんでも余る肉の塊。下腹部と同じようにネトつく液で濡れた胸を握りしめられて、
ミルキーの声はどこまでも大きくなっていく。
 彼女の体は、ロルフにとっても非常に魅力的だった。
 剛直をくわえた大きな尻はロルフが出し入れする度に大きく揺れ、時には小刻みに震えた。
 胸の感触も指に吸い付くようで、触っているだけで達しそうになる。
「おっ、おひゃふはふ、わらひ、もふ……」
 ミルキーも限界のようだった。
 ロルフは最後の一突きを迎えようと、抜けそうになるまで剛直をミルキーの膣内から引き出す。
「ふぁあああああ!!」
 内壁を引きずり出される感覚に叫ぶ彼女の角が、一際大きく揺れる。
 バンッ!
 ずりゅずりゅずりゅ!
 ロルフが腰を大きく前に突き出す。
 瞬間、極限まで刺激を受けた剛直が再び、今度はミルキーの膣内で、射精を迎えた。
 
 どぴゅく、どぴゅく、どぴゅく……。

 突進と射精の刺激を受けて、ミルキーの全身が大きく震えた。
「いっちゃうよぉおおおおおっ!」
 雄叫びのような喘ぎ声を上げるミルキー。
 快感は粘膜から背骨を伝わり、激しく彼女の脳を揺さぶり、花火のように弾けた。
 ガクンっ。
 
 ミルキーの首が床に崩れ落ちた。
 あまりの快感に失神してしまったようだ。
 まだ締め付けを止めようとしない彼女の中から剛直を抜き出すと、ロルフは溜め息をついた。
「大したものだ。やはり、ギャミルという男はいい仕事をするようだな」
 こぽっ。
 溢れ出そうになる白い粘液を、ミルキーの陰門が音を立てて吸い込んでいる。
 その様子を見ながら、ロルフは備え付けの湯桶にあった湯で体を洗い、服を着た後、
ミルキーの部屋を後にした。


 ぴちゃ、ぴちゃ……。
 舌が粘液をすくい取る音が、延々と続いている。
 ベッドに腰掛けているリディの陰核に、ニコラが舌を這わせているのだ。
「そう。そんな感じで……上手よ」
 まだ余裕があるのか、リディはそんなことを言って、ニコラのオカッパ頭を撫でる。
「リディさん……また、僕……」
 情けなさそうなニコラの視線。爪先の近くにあるニコラの陰茎は、また固さを取り戻している。
 何度も吐精したというのに、まだ性の喜びに罪悪感を感じている少年が可愛らしくて、
リディは太股を閉じた。
「ふぐぅ!」
 両頬を柔らかい脚の肉で挟まれて、ニコラが呻く。
 床にこぼれているのは、彼女と彼が何度も交わった証拠の愛液と精液の混合物。
 その淫らな匂いに刺激されて、リディはオオトカゲの尻尾を大きく揺らした。
「ほら、おいで。今度は、あなたが上になって」
 太股の拘束からニコラを解き放つと、ベッドに寝転がり、リディは指先で自分の陰門を
広げた。怯えていた少年はもう、目をそらすようなことはしない。
「こんなに濡れている……」
 ふくれ上がったピンク色の陰核も、縦に伸びる濡れた割れ目も、その下にある窄まりも、
ニコラが初めて見るものばかりだった。
「早く。もう、待ちきれないんだから」
 リディは尻尾で、ニコラの腰を後ろから押した。
「こっ、こうですか……」
 ニコラの槍は膣口ではなく、上にある尿道口にあてがわれている。
 いくらニコラのものが小さいとはいえ、そこには入りそうにない。
「ここ。ここよ」
 リディは笑いながら、ニコラの男根に手をあてがい、その位置を下へとずらした。
 ちゅぷ。
 あまり大きさのないニコラの男根は抵抗無く、リディの中に潜り込んでいった。
「リディさん!」
 引き締まった体の少年が、リディの体に抱きついてくる。
 可愛い、とても可愛らしい。
 リディはニコラのオカッパ頭を撫でながら、ゆっくりと腰を動かす少年の動きに
のめり込んでいった。
 
 
「おい。そろそろ機嫌を直したらどうだ?」
 ミルキーを抱いた後、ジェイミーの部屋に入ったロルフを待っていたのは、頬をふくらませて
起こっている彼女の姿だった。
 カエルのように頬をふくらませて怒っているジェイミーは、サファイア・スライムに
変成を終えているので体だけは大人になっているが、まだ精神は子供のようだ。
「お兄さんの意地悪! あたし、お兄さんがまた来てくれるのを、すっごく楽しみにしていたのに」
「だから、こうして来ただろう。ほら、こっちを向け」
 大喰らいのミルキーに抱かれたのだ。
 もう精気は残りカスくらいしか残っていないに違いない。
 そう思いながら、ジェイミーは後ろを振り向いた。
 だが、待っていたのは予想外のものだった。
 以前に見た時と全く変わらない角度と固さを保ったロルフの男根。
「わぁ……! すごいよ、お兄さん。ミルキーを抱いた後なんでしょ?」
 それに迎えられて、ジェイミーは好色な喜びを隠さない。
「昔、パンの群れに襲われて、全員を満足させたことがある。それと比べれば、楽なものだ」
 パンとは、山羊の角と尻尾、そして下半身を持つ幻獣で、牧羊神系という分類に属する。
リトル・ホフの上位種に当たる幻獣だが、飛び抜けて性欲が強い。「パンに抱き殺される」という
表現は、彼女たちが出没する地域では、あながち冗談でもなかった。
「お兄さん、幻獣を抱き慣れているんだよね。すごい、すごい」
 無邪気に喜び、手を叩くジェイミー。
 待ちくたびれたのか、陰門から流れ出る愛液で床は水たまりが出来るほど濡れている。
「よし。それでは抱くぞ。股を開け」
「あっ、ちょっと待って、お兄さん。抱いてもらえる前に、見せたいものがあるの」
 挑みかかろうとするロルフを、ジェイミーは手で制した。
「なんだ? 待っていたのではないのか?」
 不思議そうに見つめてくるロルフの前で、ジェイミーは精神を集中させる。
「んん〜っ」
 ポコっ、ポコっ。
 ジェイミーの青く輝く髪から、なにかキラキラと光るものが浮き出てきた。
 それは青い鉱物状の物質で、外見は宝石のサファイアのように見える。
 ポコっ、ポコっ。
 ジェイミーの頭部を囲むようにして、次々とサファイアが浮き出てくる。
 最後には、それは冠のように一列の宝石の輪となった。
「えへへ……きれいでしょ」
 相当に体力を消耗するのか、ジェイミーは少し青ざめた顔で笑う。
 確かに、宝石の冠は美しかった。彼女の青い髪に、よく似合っている。
「ああ。きれいだな。俺のために頑張ってくれたのだろう。いい娘だ、おまえは」
 ロルフはジェイミーの労をねぎらって、彼女の頭を胸元へと抱き寄せた。
 嬉しそうにジェイミーはロルフのたくましい胸に頬を擦り寄せる。
 そして、彼女の手はそっと剛直に伸びていく。
 長い交わりが始まろうとしていた。


 翌朝。
 トン、トン。
 誰かが扉をノックした。
「お客様。申し訳ありませんが、お開きの時間になりました」
 無情な店主ギャミルの声。
 朝まで交わりあっていたリディとニコラは、悲しそうな顔を向け会う。
 あれほどまでに嫌っていたはずの人間。
 なのに今は、この少年が自分の前から去ってしまうことが、たまらなく寂しい。
「また、来てくれるのだろう?」
 思いかけず、そんな言葉がリディの口をついて出た。
 ニコラは、何も言わずに彼女の顔を見つめている。
 そして、騎士見習いの少年は、初めて睦み合った幻獣の女性に、自分の意志をはっきりと告げた。
「はい。また来ます。何度でも、貴女に会いに」
「嬉しい……」
 本気の言葉だった。
 その感情が愛だとはリディは気付かなかったけれど、確かに、彼女は初精を捧げてくれた
少年を愛していた。


 
                                               

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